Rimの家庭でできる「ゆる」モンテッソーリ子育て in Hawaii

ハワイでのワーママ子育て雑記。ハワイ生活、モンテッソーリ、RIEペアレンティング、発達心理学などのテーマも。

モンテッソーリ流 発達の4段階とは?

前回は0-6歳の敏感期を見てきましたが、今回はもう少し広い範囲の発達段階を見ていくことにします。

モンテッソーリ教育では、発達段階は0歳から24歳までの間に4つの段階に分かれています。段階によって成長度合いやニーズが違うので、こちらも知っておくと子育ての参考になると思います。

他の発達心理学の段階と比べながら見て行こうとおもいます。

 

 

 

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第一段階: 乳幼児期(0-6歳)

初めは乳幼児期です。生まれてからの乳児期と幼児期が含まれます。

この6年間は他の時期と比べて一番変化の多い時期です。実際0歳児と6歳児は体つき、言語能力、運動能力など何もかも全く違いますね。

共通しているのは、この時期はまだ比較的ものごとを具体化してとらえているということです。たとえば、目の前にある赤いボール、クマの絵が描いてある車のおもちゃ、ママの白いエプロン、みたいな感じです。

また、この頃は様々な基礎的スキルを身につける時期でもあります。立つ、歩く、走るなどの運動から持つ、引っ張る、運ぶなどの微細運動の習得、基本的なコミュニケーションの習得、起きる、食べる、トイレに行く、寝るなどの基礎習慣の習得など。

一つ前の敏感期の記事で書いたように、マリア・モンテッソーリは6歳までの子供を「Absorbent Mind(吸収する心・精神)を持っている」、と書いています。

0歳から6歳はあまりに変化が大きいので、モンテッソーリではこの時期を更に2つに分け、0-3歳(前期)と3-6歳(後期)としました。

 

 

前期(0-3歳)

前期は「無意識に吸収する」時期と言われています。この時期の子供は自分の学んだり習得しているものが良いのか悪いのか判断したり、カテゴリに分類したり、評価したりせずに、見たものを見たまま吸収します。

この特徴のあるおかげで、この時期の子供は他人がしていることをそのまま真似たり、同じことをしようとします。特に授業を受けなくても母国語を吸収し、使えるようになるのもこのためです。

また、「現在」に焦点を当てているため、「過去」や「未来」を考えていないのも」特徴的です。

 

 

後期(3-6歳)

後期は「意識的に吸収する」時期と言われます。前期と同様にたくさんのことを吸収するのですが、前期と違うのは自分でこれをもっと見たい、聞きたい、触りたい、やりたいという意志の元で活動ができることです。

また、運動などのスキルも歩く・走るなどの単純なものから、バランスを取る、三輪車をこぐ、物を特定の場所に置く・投げるなど、複雑化していきます。

物事の理解も前期とは違い、カテゴリに分けて考えたり、具体的な理解から抽象的な理解ができ始めたり、前にあった出来事を踏まえてやる、ということができるようになります。

 

できることが爆発的に増える一方、文字、数字、音楽など新しいことを学ぶ必要が出てきて間違いや失敗も多くなり、自分の思い通りにならないことも多いと学ぶ時期です。

 

 

第二段階: 児童期(6-12歳)

 第二段階のこの時期は、第一段階よりも成長が緩やかになり安定します。第一段階に比べ考えが論理的になり、想像力も豊かになり、現実と空想の区別がつくようになります。

この時期は学習することに意欲が出てくる時期です。実際に見たり経験したりしたことだけでなく、本を読んで想像することによって新しいことを学べるようになります。また、物事の関連性を理解できるようになったり、自分の社会や環境の中での役割を理解しはじめます。

 

 

第三段階: 思春期(12-18歳)

 第三段階は思春期です。この時期は精神的にも身体的にも再び大きな変化が訪れます。「自分」という存在を定義し、社会での役割や自分の指針を考え、また理想と現実のギャップに悩んだり、自分の居場所を探したり、現実的な人生の目標を定めたりします。文化的な発達も成熟し、その中での伝統・慣習などの価値観を理解できるようになります。

精神的にも独立心が強くなり、自立に向けて準備をする段階でもあります。ただ、まだ完全に自立することはできないので、そのもどかしさからイライラしたり、不安になったり、親の助けを必要とする場面も多くみられます。

 

 

第四段階: 青年期(18-24歳)

 第四段階の最後のステージは青年期です。思春期に比べ、また比較的穏やかな成長を見られる時です。前段階と同様に、自分という物を定義し続け、新しいことを学んだりスキルを身につけたりしながら将来の理想の形へと少しずつ進んでいきます。

良い・悪いの判断がしっかりでき、自分と他人の関係性についても整理でき、自立した生活の基礎を作ります。

また、学生から社会人になる人も多く、精神的な成長の多い時期でもあります。経済的に自立したり、生活のパートナーとなる人と関係を築いたり、自分の子供をもうける人もいます。

 

 

他の発達段階との比較:ピアジェ

発達心理学といえばピアジェが浮かぶ人も多いくらい? 有名な理論ですね。

ピアジェはスイスの発達心理学者で、彼の児童心理・発達心理と発達段階は今でも広く教えられています。

ピアジェの発達段階は「認知の発達」に重点を置いています。

子供が成長過程で膨大な情報をどうやってまとめて、理解していくのか。

簡単にまとめるとこんな感じです。

 

0-2歳:感覚運動期

英語ではSensorimotor Stage

感覚刺激を受けることによって色んな物を学ぶ時期です。物を掴んだり舐めたりする行為で自分の体の機能についても学びます。

物の永続性(目の前から消えても存在が続いてること)を学びます。

シンボル(キリンの写真や絵を見て、本物のキリンと同じだということ)を学びます。

養育者との関係の中で自分と他人の違いを学び始めます。

 

 

2-7歳:前操作期

英語ではPreoperational Stage

言語能力と運動能力が発達し、実際に行われていることのイメージができるようになるので、ごっこ遊びができるようになります。

まだ自分からの視点でしか物事を捉えられず、自己中心的です

また、生命や意思があるものと無いものの区別ができないため、ぬいぐるみを本当の友達だと思って話しかけたり、物が生きているように扱ったりすることがあります。

 

呪術的思考(Magical Thinking)が見られるのもこの年齢が多く、自分の思ったことや考えたことが実際に世界で起こったと信じてしまうことも。

(例えば、明日雨になればいいな、と思っていたら本当になった。自分が願ったから雨が降ったんだ、と本気で信じてしまう)

 

論理的な思考もまだ未発達で、質量保存(形が変わっても量や性質は変わらない事)の理解はありません。(たとえば、短く太い容器に入った1Lの水の方が長く細い容器に入った1Lの水より少ないと思ってしまう)

 

 

7-11歳:具体的操作期

英語ではConcrete Operational Stage

前期とは違い、他者の視点から物事を捉えられるようになるので自己中心的な部分が減ってきます。人の立場で物を考えたり、他人に共感したりできるようになります。

論理的な思考が育ち、質量保存の考えができるようになり、見た目や形は変わっても総合的な量が変わるわけではない、ということが理解できるようになります。

 

 

12歳から:形式的操作期

英語ではFormal Operational Stage

この頃には、今まで学んだことを整理し、物事をカテゴライズして考えたり、論理を組み立てて応用したり、今まで見たことのない問題を今までに得た知識を使って予測して解いたりすることができるようになります。

また、実体のない概念のような事柄でも抽象的な理解ができるようになります。

 

 

 発達段階を知って子育てにどう生かす?

 

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ここまで、モンテッソーリの発達段階とピアジェの発達段階をみてきました。

じゃあ、これを知ったからといって、子育てにどう生かして行ったらいいのでしょうか?

 

発達段階が上がるにつれこんなことができる、と楽しみにするだけでもいいですし、段階に合わせた家庭環境を作って、発達を促すのもいいと思います。

 

私が一番大事だな、と思うのは「できないことを知る」ことだと思います。

 

例えば、2歳ー6歳くらいまでの間、子供は親の言いつけやルールを守れなかったり、同じ間違いを何度も繰り返したり、「これをして欲しくない」ということを何度もしたりします。

 

それを「わざとやっている」「自分を困らせようとしている」「自分に反抗している」と思ってしまったらどうでしょうか?

ただでさえ同じことをされたらイライラするのに、自分への当てつけだと思ったら余計にイライラしてしまいますよね。

 

逆に、発達段階を知っていれば、この頃の子供は感覚的な刺激をあらゆるものに求め好奇心優先で行動し、自己中心的に世界を見ているので他人の視点からの理解が難しいことがわかります。経験や言われたことを次回に応用するのもまだ難しいとわかります。

 

また、私たちの社会は時に子供に多くを求めすぎてしまうことがあります。

幼い子供に友達とケンカすることなく仲良く協力的に遊ぶことを求めたり、何度か言われただけのルールを守ることを期待したり、物を整頓して片付けることを求めたり。

 

これらのことが幼くしてできる子も、確かにいるでしょう。

でも、自分の子が今できるのかどうか、いつできるようになるのかは養育者が見極めるしかありません。

今日たまたまできたことも、 場所、時間、体調、環境、一緒にいる人が異なればできない時があるかもしれません。

大人からしたらシンプルに見える「片付ける」や「仲良く遊ぶ」なども、実は論理的思考を応用する力が必要で、とても複雑な行動の連続なのです。

 

発達は個人差が大きいので自分の子供が年齢のめやすでできるようにならなくてもおかしいことではありません。

発達段階を参考にして、子育てが私にとっても娘にとっても無理なくできたいいな、と思います。